白い影 其の三

2001年9月9日
冷えて赤くなった指先を
軟らかな手のひらで包んでくれた
白い影 いつまでも忘れられなくて
その温もりを思い出す度に

窓にさす茜色の夕方の
眠りにつくその前に
白い影 ずっと握っていてくれた
あの日の暖かく切ない空気と

冬の夜 白い結晶の降る中
熱が出たおかげて
傍にいさせててくれたこと

寒い春 泣き疲れて寝る夜が幾つも過ぎて
届かない場所にあっても
少しの文字で頑張ろうとしたこと

やっとわかったとても明白なこと

白い影 きっと最初から何もかも


思い出は白く霧のように
漂いながらも寂しい時には包んでくれて
本当の姿など
この夜のおいて意味は無く

けれど慰めれば慰めるほど悲しく

白い影 どうすればよかったの

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